8.企業のメンタルヘルス対策 手順-ステップ6「対策の運用」 その1

今回は「2.企業のメンタルヘルス対策 手順表」で示した「メンタルヘルス対策の手順モデル」の、ステップ6である、「対策の運用」について詳細を掲載します。

ステップ1~3まででメンタルヘルス対策の基礎を構築し、ステップ4で対策を策定、ステップ5で策定した対策を周知・啓発(教育)しましたので、ステップ6では対策の運用になります。

なお、厚労省では「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」を公表しています。

メンタルヘルス不調者 または 不調と疑われる者が出たら

まず、関係者が集まって、今後の方針を協議する。
メンタルヘルスが不調になると、他の疾病とは違い、不調者本人は的確な判断が困難になるため、関係者を含めた方針の協議が必要になります。
※ 発熱など、見た目で分かる症状はほとんどないため、
“なんだかいつもと様子が違う”、といった、違和感があれば、関係者と協議した方が、
重症化を防げます。

ポイント 不調者の家族の協力を得ることが大切

• 不調者の家族に連絡をとるのは勇気が必要です。
普段から家族ぐるみの付き合いをしている社員がいれば、間に入ってもらうのも一手です。
• 家族の理解を得ることが難しいこともあるが、懇切丁寧に説明をつくすことが必要。
中には、会社から電話がかかってくるだけで、過剰反応をする家族もいるため、その場合はすぐにあきらめないことが重要です。
• 不調と疑われる社員に、受診命令を出しても医療機関に行かない場合、家族に連絡をとり、受診することに協力してもらう。
会社からの受診命令を受け入れない社員には、やはり家族の協力が必要です。
• 会社は、症状について家族がどの程度受け入れているか(思い)を理解する。
会社は、家族への最初の説明で理解してもらったと思っていても、本心では無いこともあるため、要所で家族の思いを確認する必要があります。
(後々、会社が家族を無視して勝手に進めたと言われないように)

 

関係者が協議する方針の内容

傷病を持つ社員とその家族にとって最も心配なことは、「雇用がどうなるか」です。
雇用に対する不安を持つことなく問題を克服していくことが望ましいですが、不調者本人の状態(不調の程度)や家族の意向に配慮しながら、本人にとって最善の方策を第一に考えながら、柔軟な対応をとれるような方針を目指します。

 

対応方針の基本的な選択肢

(1)配置転換 または 業務内容の変更
(2)療養に専念する(私傷病欠勤・休職)
(3)責任から解放する(仕事から離れる)

協議をする際の留意事項

• 職場が要因となった発症であれば、労災認定の可能性もあることに留意する。
(相手(本人や家族の)の声に耳を傾け、まず受け入れることが、解決に向けた話し合いの第一歩。1回の協議で結論を出せるものではない。)
• 配置転換、転勤の場合は、配転・転勤先の人間関係にも配慮しなければならない。
• 就業規則の規定(配置転換、休職等)については、本人(又は家族)に十分な説明を行い、理解されたことを確認しておく。(職務内容変更に伴う賃金等の労働条件変更も含む)
→ 覚書等の書面を交わすことが望ましい。
• 欠勤⇒休職であれば傷病手当の請求ということになるが、離職してしまった後で、傷病手当請求を行っても傷病手当が受給できないことも、予め説明しておかなければならない。
• 一番怖いのは、自分を否定して取り返しのつかないことをする場合である。
とにかく、本人とコミュニケーションをとり、適宜、医師に相談し入院させる場合も考えられる。

関係者で協議する際に用意する資料

協議を円滑に進めるため、また、メンタルヘルス問題は労使トラブルにつながる可能性があるため、会社の対応に不備が無かったことを証明する資料を残すことが重要です。
また、協議時には以下のような資料を手元に用意しておくことが望ましいと思われます。

(1)就業規則
(2)診断書
(3)人事履歴(今までの配置転換等の記録)
(4)本人との面談記録(発症してから(または発症前から)
現在に至るまでの本人とのやり取りを記録したもの)

面談記録を取る際の留意事項
• 面談している時は本人が目の前にいて取りにくいため、面談後すぐに整理する。

掲載日:平成27年1月29日(木)

カテゴリー: メンタルヘルス-対策編   パーマリンク

コメントは受け付けていません。